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スーパーアプリとは?web3.0での構想や課題を解説

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近年では、国内外で多種多様なサービスが集約されたスーパーアプリへの注目が集まっています。
スーパーアプリは中国や東南アジアを中心に普及しており、社会インフラといえるほどユーザーに欠かせない存在となっています。
そしてWeb3.0と組み合わせることで問題点を解決する取り組みも計画されており、スーパーアプリの動向を知らないと損をしてしまう可能性もあります。
今回はそんなスーパーアプリの特徴やWeb3.0での構想、課題について解説していきます。

スーパーアプリとは?概要と特徴

スーパーアプリとは、日常で使う様々な機能を統合して集約されたアプリのことです。
日本国内のアプリでは、決済や動画視聴、SNSなどを使用するためには複数のアプリを利用することになりますが、スーパーアプリでは独立しているサービスを1つにまとめることで利便性の向上に繋がります。
スーパーアプリは、サービスの提供側だけでなくユーザーにも幅広いメリットがあることから、従来のアプリに替わる新しいアプリの形態として注目が集まっています。

既存のアプリとの違い

スーパーアプリと既存のアプリとの違いは、ユーザーエクスペリエンス(UX)が分断されるかどうかにあります。
例えば、スポーツ観戦をするためには様々なステップを踏む必要があります。

1)ブラウザで興味のあるスポーツの情報収集
2)スポーツ観戦のチケット購入サイトで購入
3)現地までのアクセスに必要な交通サービスをネット予約

上記のように複数のアプリやサイトを回る必要があり手間と時間がかかります。
一方で、スーパーアプリはミニアプリと呼ばれるバスや新幹線を購入するアプリやチケット購入アプリがあり統合されています。
そのため他のアプリやサイトを複数開く必要なくスムーズに情報収集から購入までを完結することが可能です。

スーパーアプリの事例

ここまでスーパーアプリの概要について説明しましたが、既存のスーパーアプリにどのようなものがあるかを紹介していきます。

WeChat

スーパーアプリというモデルを構築したのが中国テンセントのWeChatです。
中国では、WeChatだけしか利用しないという人がいるほど多様なサービスが充実しており、国内の8割を超える約11億人のユーザーがいると言われています。
WeChatはミニプログラムという小さなアプリの集合体として成り立っており、2023年において100万個を超えるアプリがユーザーに提供されています。

ミニプログラムには、EC機能、ニュース発信、サブスクリプションサービス、予約サービスなど様々な機能を有しています。
例えば、ライブのチケットを購入する場合でも、周辺の観光地や天気予報などそれぞれ専門のサービスと連携しながら購入することができるため非常に利便性が高いです。

Alipay

Alipayは中国のアリババが提供するモバイル決済サービスです。
Alipayは日本のPayPayと同じスマホ決済サービスですが、WeChatと同じように多様なサービスを利用できるスーパーアプリとして広く普及しています。

主要なサービスとして、送金、データ容量チャージ、両替、公共料金の支払い、交通サービスなど生活を支えるサービスが利用可能です。
また学生が試験の成績を検索することや学費の支払い、求人情報のサービスもAlipayだけで完結するため中国国内で広く支持されています。

スーパーアプリをweb3.0化する構想

スーパーアプリは中国や東南アジアを中心に普及していますが、問題点も多くあります。
Web3.0ではスーパーアプリをより自由で制限のないプラットフォームに改善されることが期待されています。

既存のスーパーアプリの危険性

スーパーアプリは日常生活に普及しユーザーにとって欠かせない存在になっている一方で危険性も指摘されています。
中国のWeChatは国民の80%以上が利用しているスーパーアプリに成長しています。
WeChatは約10年前にリリースされメッセージアプリとしての役割だけでなく、買い物や支払い、交通サービスなど生活するうえで欠かせないプラットフォームになりました。
しかし中国政府とWeChatは関係性が強く、政府の発信手段や監視、検閲にも利用されている側面があります。
WeChatの利用方法によってアカウントが凍結されてしまうと、インフラから切り離されてしまうことにもなってしまいます。
WeChatのように国や企業のような中央集権型の運営方法では、言論の自由やプライバシーなどが守られるのかが疑問視されます。

Web3.0による制限のないネットワーク

スーパーアプリをWeb3.0にすることでパーミッションレスにすることができます。
パーミッションレスとは、政府や銀行を介さずに送金やデータの相互運用をすることです。
スーパーアプリでは多くのアプリが開発・統合されます。音楽、交通サービス、検索機能、決済サービスなどのアプリを政府や企業に制限されることなく統合できます。
分散型のウェブでは情報発信の自由度や個人情報、プライバシーの管理の独自性がメリットといえます。
現状では、Web3.0によるスーパーアプリ化は構想段階ですが中央集権型のネットワークから少しずつ進化、普及が進んでいくことが予想されています。

Twitterのweb3.0進出

TwitterではWeb3.0を取り入れた新しいプラットフォームを作ることを目指しています。
2022年にイーロンマスク氏がTwitterを買収する際に、大手仮想通貨取引所バイナンスのチャンポン・ジャオCEOは約5億ドルの出資をして支援しています。
ジャオ氏がTwitterの買収を支援した理由として、Twitterが言論の自由のためのプラットフォームであることや仮想通貨の言論の自由が確保されることなどがあります。
またTwitterがWeb3.0に進出するための支援を行うための戦略的な動きだと述べており、バイナンスではDOGE、BNB、MASKで構成されるBLUEBIRD指数を発表しています。


引用:バイナンス

仮想通貨のMASKはTwitterなどを介して暗号化されたメッセージを送信するためのプロトコルであり、MaskDAOという自律分散型組織によって投票を行うことができるシステムです。
このようにTwitterでは、DAOを取り入れたWeb3.0への進出を目指しており、近い将来スーパーアプリとして実現する可能性を秘めています。

スーパーアプリの実現性と課題

日本や欧米ではスーパーアプリの普及が進んでおらず様々な課題があると言われています。
特に新規参入が難しいため、既存のスーパーアプリへの依存度の高まりなどが懸念されています。

多機能になると使いにくくなる可能性

スーパーアプリは数多くのミニアプリが集約されていますが、機能過多になると操作性が悪くなる可能性もあります。
特にスマホでは、多くの機能を充実させることとシンプルで使いやすい操作性を両立させることが難しいです。
そのためスーパーアプリの利便性はバランスのいいUI・UXを設計する必要があります。

新たに参入することが難しい

スーパーアプリには多くのアプリやサービスが必要になるため新規参入が難しいと言われています。
スーパーアプリに参入するためには、利用頻度の高いアプリを提供しており、自社で多くのサービスを展開していることが求められます。
そのため国内はLINEやPayPay、海外ではTwitterのような限られた企業しか、新規参入は困難であり社会のインフラとなり得ないといえます。

情報漏洩のリスク

セキュリティ面をみるとスーパーアプリのアカウント乗っ取りによって個人情報が漏洩するリスクがあります。
スーパーアプリでは日常生活の様々な情報が集約されているため、情報が漏洩することによって氏名や住所だけでなく、行動履歴や交友関係など多くの情報が知られる危険性が発生します。
スーパーアプリはハッキングなどの対策を行っていますが、中央集権的な運営方法では悪意のある攻撃によってユーザーの個人情報が漏洩するリスクが常に存在します。
そのためDAO(分散型自立組織)のように情報の改ざんが困難な形態で運営するなど、個人情報を守る取り組みが必要になります。

まとめ

スーパーアプリは様々なサービスが集約されているため、利便性が高いことだけが注目されがちですが、ユーザーを集めることの難しさや巨大なプラットフォームにユーザーが依存する危険性など課題も多いです。
Web3.0でのスーパーアプリの開発によって問題が解決されることが期待されていますが、まだ開発途上の段階にありTwitterをはじめサービスを開始するまでには至っていません。
分散型のアプリの開発には、法規制への対策や新しい開発環境などの改善によって、信頼性の高いスーパーアプリが実現されることが期待されます。

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