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NFT市場が冷え込んでいる理由 DEXの影響や新しい動向を解説

cryptomedia

NFT市場全体で冷え込みが続いています。
NFTが低水準に陥っている理由には、イーサリアムや手数料、他のDeFiサービスへの注目など様々な原因があると言われています。
一方でNFTの中でも、新しい開発が進んでいる分野や注目を集めているプロトコルも存在します。
今回はNFT市場が落ち込んでいる原因や新しい動向について解説をしていきます。

NFT市場が大幅に縮小している

NFT市場は、NFT元年と言われる2021年から大きく成長を続けていましたが、2022年4月から市場全体のユーザー数が減少しはじめ低迷しています。
NFT市場の取引では、売り手の数が買い手を大きく上回っている状況が続いています。

引用:dappradar

NFT市場の時価総額は、2022年2月時点で191億円の最高値に達しています。しかし2022年11月には下落をし22億円まで下落をしています。
NFTのアートやゲームなど様々な分野での取引高は前年比で約90%まで減少してデジタル資産の冬と呼ばれている時代に突入しました。

NFT市場が低迷する理由とは

2022年からNFTの取引数は減少を続けており冷え込んでる現状があります。
NFT需要が落ち込んでいる背景にはどのような要因があるのでしょうか。

イーサリアムの影響

NFT市場が2022年4月以降に急落する主な原因として、イーサリアムの価格が強く影響していると考えられます。

2022年4月には暗号資産テラの暴落事件が発生し、イーサリアムをはじめ多くの銘柄の価格が下落しています。
また同年11月には大手取引所であるFTXが破綻する事件によって影響を受け、前年と比較して3割程の価格まで暴落しました。
NFT市場はイーサリアムに大きく依存しているため、イーサリアムの下落に伴い低迷が続いていると予想されます。

イーサリアムのガス代の高騰

2023年に入ってイーサリアムネットワークのガス手数料が高騰を続けています。
理由としてミームコインとの取引が活発になっていることが挙げられます。

ガス代は2022年4月と比較して約80%も増加しており、ガス代の高騰はNFTの取引にも大きな影響を及ぼしています。

ユーザーがDEX市場への流出

2023年3月には分散型取引所(DEX)の取引高が過去最高の250億ドルを達成しました。
分散型取引所とは、ブロックチェーンを活用して管理者を作らずにユーザー同士で資産の取引ができる仕組みになっています。
DEXと対極にあるのがCEXであり、銀行などの金融機関やバイナンスやコインチェックなどの管理者がいる中央集権型の取引所のことです。
DEXの取引が増える背景には、中央集権型の管理に対するユーザーの不安があります。2023年3月には全米16位のSVB銀行が経営破綻し、さらに29位のシグネチャー銀行も破綻しています。
CEXでは、経営者に依存をするため自分の資産を自身で守ることができないため、DEXへの期待が高まっていると考えられます。

Uniswapの成長

DEXの中でも代表的な取引所がUniswapです。
2023年2月からUniswapは、中央集権型の大手取引所であるCoinbaceの取引高を3か月連続で上回っています。
Uniswapの4月の取引高は約5億円で、Coinbaceは約4億6千万円でした。
Uniswapでは、トークンの上場審査がないため多くの暗号資産でスワップが可能であり、流動性マイニングも行うことができます。
さらにNFTのトレードにも進出しており、中央集権型のOpenSeaやBlurなどから投資家が流出している現状があります。

NFT市場の新しい動向

NFT市場は2021年から需要が拡大し2022年の半ばには失速している現状があります。
しかしNFT業界では急成長を続けるマーケットプレイスやビットコインによるNFTなど新しい動きがみられています。

新興NFTマーケットプレイスBlurの急成長

成長を続けるNFTマーケットプレイスBlur(ブラー)の取引高がOpenSeaを上回りました。

2023年2月時点でのOpenSeaの取引高が約12億円なのに対し、Blurは約13億円と逆転しており、2月以降差が広がっていることが分かります。
Blurのサービスでは、手数料ゼロなど既存のNFTマーケットプレイスとは異なる手法で拡大を続けている背景があります。

Blurの特徴

Blurの最大の特徴は、手数料が0%に設定されていることです。
NFTの投資や取引を行う場合には、ガス代と呼ばれる取引手数料がランニングコストとして大きな負担となります。
大手のOpenSeaでは手数料が2.5%に設定されており、他のNFTマーケットプレイスでも同様に手数料がかかります。
例えば100万円のNFTアートを購入する場合には、OpenSeaでは約2.5万円かかるのに対し、Blurでは手数料を取りません。
そのためBlurの手数料0%という設定はユーザーにとっては大きなメリットになっており、Blurが急成長を遂げた大きな要因といえます。

ビットコインNFTの誕生

ビットコインベースのNFTであるOrdinalsが注目を浴びています。
NFTはイーサリアムのブロックチェーン上で構築されていることが多かったのですが、Ordinalsはビットコインのブロックチェーン上で構築されています。
従来のNFTよりも進んだ技術をを取り入れており、Ordinalsは2025年までには45億ドル規模にまで拡大するという見通しが出されています。

従来のNFTとの違い

ビットコインNFT「Ordinals」の特徴の一つとして、画像データをブロックチェーン上に保存しているという点があります。
従来のNFTのシステムでは画像のURLだけをブロックチェーン上に保存しておくため、運営側のトラブルやハッキングなどによって画像データが紛失するリスクがありました。
しかしOrdinalsではフルオンチェーンという仕組みによって画像データをすべてブロックチェーンで保存しているため紛失することがありません。
またスケーラビリティ問題を軽減させるシステムアップデートが行われています。
SegWitではトランザクション処理をコンパクトにして圧迫して書き込むことで、コストが約4分の1になるというメリットがあります。

AmazonがNFTプラットフォームを設立

またAmazonがNFT市場への参入をするという計画があります。
AmazonはWeb2.0の代表的な企業のひとつであり、Web3.0の領域でどのような事業を行うのか高い注目を集めています。
Amazonが計画を進めているNFT事業は、「Amazon Digital Marketplace」といいNFTの購入ができるプラットフォームです。
NFTを購入する際にはMetaMaskなどのウォレットを利用することが一般的ですが、Amazonではクレジットカードでも購入できる仕組みを計画しています。

Amazonの参入はNFT市場に恩恵をもたらす

OpenSeaやBlurなど主要なNFTマーケットプレイスは、AmazonのNFT市場参入をポジティブなものだと評価しています。
Amazonのプライム会員は世界で2億人を超える規模だと言われており、プライム会員がNFTを利用することで市場が活性化して既存のマーケットプレイスやクリエイターにとっても有益であると考えられています。

まとめ

今回はNFT市場が落ち込んでいる原因について解説しました。
近年では、NFT以外にもDEXなど多くのDeFiサービスが開発されておりユーザーが流出しています。
しかしNFT市場でもAmazonの参入やビットコインNFTの高騰など注目される要因も増加しており、スケーラビリティ問題の改善も行われています。
今後NFTを利用する際には、プラットフォームやプロトコルの違いなどをしっかりと理解して運用することが求められるでしょう。

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