DeFiウォレットを一括管理できる「DeBank」とは 登録方法やメリットデメリットを解説

DeFiのサービスを利用していると仮想通貨やNFTなどウォレットの管理が大変という人も多いと思います。
DeBankはDeFiと接続しているウォレットを管理できるため、DeFiを一括で管理したい人や資産をどの程度保有しているかを証明したい人に向いている、家計簿のようなツールです。
今回はDeBankの仕組みや登録方法、メリットデメリットなどを解説していきます。
DeBankとはなにか
DeBankはDeFiのウォレットを一括管理することができるツールです。
bitFlyerやCoincheckなどのCeFi(中央集権型金融)では管理者が存在しますが、DeFiのサービスは特定の企業が運営しないためウォレット管理を投資家自身が行う必要があります。
そこでDeFiのウォレットとDeBankを接続することでポートフォリオの管理や資金の運用状況などを確認することができます。
現在では、EthereumやBinance Smart Chain、Polygonなど多くのチェーンに対応しており、NFTやDEX、レンディングなど幅広い分野に対応しています。
DeBankが注目される背景
近年では仮想通貨だけではなく、NFTやDeFiなどを利用する一般投資家が増加しており市場が拡大しています。
しかし投資家の増加に伴って仮想通貨に関連するトラブルや相談件数も増え続けており、2016年の847件から2021年には5,466件にまで相談件数が急増しており課題となっています。
トラブルが増加した要因には、DeFiなどのサービスでウォレットや資金の管理がうまくいかないことや悪質な処理によって資金が流出することなどが挙げられます。
DeBankには一括でポートフォリオ管理ができることやRevokeという処理を取り消す機能があるため、資産を守る手段のひとつとして注目されています。
Revokeによるリスク回避
DeBankにはRevokeという機能があります。Revokeは一度承認したApproveを取り消すことができるため、ウォレットや自分の資産を守ることができセキュリティを向上させることができます。
Revokeのメリットは資金の流出を防ぐことです。DeFiの中には詐欺や犯罪に関わるような悪質なサービスも存在するため、間違えてApproveしてしまうとウォレット内の資産を失ってしまうリスクが発生してしまいます。そこでDeBankではApproveを取り消すことができるRevokeという機能を使うことで被害を抑えることができます。
一方でRevokeを行うためにはガス代を支払う必要があります。そのためRevokeは闇雲に実行するのではなく、取り消しが必要になるApproveを厳選して行うことを心がけましょう。
DeBankの登録方法
DeBankでは登録の際に住所や電話番号、本人確認などの入力は必要ありません。
必要な作業はウォレットへの接続のみになるため初心者でも躓くことなく登録することができます。
DeBankの公式サイトからログインする
はじめにDebankの公式サイトのトップページを開きます。
すると右上に「Login via web3 wallet」というボタンがあるのでクリックしてウォレットとの紐づけを行います。
MetaMaskと接続する
次に使用しているウォレットを選択します。
次にウォレットの確認を要求されるので「Verify」をクリックします。
最後にMetaMaskの方で承認をすることでログインが完了します。
DeBankのメリット
DeBankは資産が公開されるため、嘘がつけないことや資産の証明が容易になったことがメリットです。
一括で資産管理ができる
DeBankでは様々なDeFiの資産を一括で管理することが可能です。
一般的にDeFiの資産は自己責任で管理をしなければいけません。銀行などの中央集権型の金融機関では犯罪やトラブルに巻き込まれた場合には補償制度が定められています。
しかしDeFiは資産や秘密鍵などの管理を全て投資家自身が行わなければいけないため、DeBankで一括管理することでリスクを減らすことができるメリットがあります。
自分の資産を証明することが可能に
DeBankは資産の証明や権威性、信頼性を高めることができます。
DeBankには取引履歴やウォレットの中身が公開される機能があります。そのため利用しているすべての人間が、仮想通貨やNFTなどをいつ購入したかやウォレットにどのような資産があるのかを知ることが可能です。
例えばSNSなどで資産を公表しているインフルエンサーの信頼性を高めることもでき、将来的には金融機関や役所での資産の証明、ビジネスでのスキルのアピールなど多くの分野で活用できる可能性があります。
DeBankのデメリット
一方でDeBankは保有している資産が他人にも見られてしまうため、すべての人が安心して利用できるわけではありません。DeBankのデメリットをしっかりと理解した上で必要な場面で適切に利用することが大切になります。
保有している仮想通貨やNFTが公開されてしまう
一番のデメリットとしては保有している資産が公開されてしまうことです。
資産を一括で管理できる仕組みは便利ですが、一方で他人に資産を知られてしまうことに抵抗を感じる人も多いと思います。
またSNSと紐づけしている場合には、悪質なビジネスへの勧誘や犯罪などに巻き込まれるリスクも発生するかもしれません。
過去の取引履歴も他人が閲覧可能に
また仮想通貨やNFTなどの過去の取引履歴も全て閲覧可能になります。
DeFiには様々なサービスがあり、取引履歴には自分の趣味嗜好が反映されています。自分のプライバシーを全て晒したくないという人には向いていないかもしれません。
実際にDeBankを利用している人の中には、一部の公開したい資産だけを取り扱うサブアカウントを用意するという使い方をする人もいます。
DeBankはどのような人に適しているのか
DeBankはNFTや仮想通貨などの自分の資産を一括管理できることが魅力ですが、保有している資産額や取引をした履歴なども公開されてしまうため抵抗がある人も多いと思います。
ここではどのような人がDeBankの活用に適しているのかを解説します。
自分の資産を証明したい人
DeBankは自分の資産を証明したい人に向いています。
ウォレットをオープンにして晒すことは、一見してリスクしかないと思うかもしれません。しかし自分の資産を公開することによって同じ趣味を持った人間と仲良くなることやSNSで権威性を高めることができます。
仮想通貨の紛失などのリスクに備える
DeBankはDeFiを利用する際にウォレットを保護する役割を持っています。
DeFiでは悪意のあるプロダクトを承認してしまうと、ウォレットの資産が流出してしまうなどの犯罪に巻き込まれる可能性があります。
MetaMaskの公式アカウントでも危険なコントラクトに対しては正しい対処法が必要だと警告をしています。
上記のような悪意のある行為に対抗する手段として、DeBankには承認を取り消すことができるRevokeという機能があります。
このように犯罪や資産の紛失などからウォレットを守りたいという投資家にはDeBankの利用をおすすめすることができます。
まとめ
今回はDeBankの仕組みや使用方法、メリットやデメリットについて解説をしました。
DeFiでは仮想通貨を様々なサービスで利用をするため、管理をすることが想像以上に難しいです。
DeBankではNFTや仮想通貨などの資産を一括管理することができるため、ウォレットの保護や流出などの犯罪を事前に防止できる便利な一面があります。
しかし資産が公開されることは万人に適した管理方法とは言えないため、自身の資産運用の方法などを慎重に考え適切な場面で活用することが求められます。