主要なミームコインのリスクとは? 特徴や将来性について解説

話題を集めるミームコインが大きな注目を浴びています。
柴犬がモチーフのドージコインは、イーロンマスク氏の発言によって価格が高騰していることで知っている人も多いでしょう。
インターネット上のネタとして誕生したミームコインは人々から愛されていますが、一方で購入するリスクも理解しないと後悔する可能性もあります。
今回は、ミームコインの特徴やリスク、代表的な銘柄について解説していきます。
ミームコインの意味
ミームコインとは、オンライン上で流通しているアイデアやネタ、慣習などを元に作られたコインのことです。
ミームコインは数多くありましたが、2013年12月に開発されたドージコインが開発され仮想通貨の1つのジャンルとして認知されるようになりました。
現在では犬系のコインだけで100種類以上、ミームコイン全体で数百種類存在しています。
ミームコインの特徴
ミームコインは、ビットコインやイーサリアムなどの他の仮想通貨とは、機能面やコミュニティ面、価格変動など多くの点で違いがあります。
ここではミームコインの特徴についてみていきましょう。
ボラティリティがとても高い
ミームコインは他のアルトコインと比較しても価格変動が高いです。
理由としては、ミームコインの価格が話題性やトレンドなどに左右されやすいという点があります。
例えば2021年3月にテスラのCEOであるイーロンマスク氏がドージコインについて発言したことで、ドージコインや柴犬コインなどが高騰し話題になりました。
しかし5月には急激に下落しており数か月で何十倍もの価格変動をし、非常に不安定であることが分かります。
そのためミームコインは大きく価格が上昇する可能性もあれば、急に暴落することもあるためギャンブル性が高く注意が必要です。
独自のコミュニティを形成している
ミームコインは機能性よりもコミュニティを重視する傾向があります。
一般的に仮想通貨は、機能的に優れている点をアピールすることが多いです。
例えば、ビットコインでは決済性に優れているという点があり、イーサリアムにはDappsの開発やスマートコントラクト機能などがあります。
一方で、ミームコインは独自のコミュニティを形成することや拡大することが重要視されています。
ドージコインでは、キャラクターである柴犬の「かぼす」の愛嬌が人気を呼び、継続的なファンを獲得しています。
このようにミームコインでは、仮想通貨自体の機能性や実用性よりもコミュニティの規模や成長が価格に大きく影響します。
発行枚数に上限がない銘柄も多い
ミームコインの特徴として通貨の発行量が非常に多く、上限を設定していない銘柄もあります。
発行枚数が増加するに連れて価格は低くなるため、多くのミームコインは低価格から大量に購入することができます。
例えばドージコインは、発行枚数に上限がありません。2023年3月時点で約1,320億枚が流通しており、1枚10円以下の価格で購入ができます。
しかし発行枚数を定めないと誰でも購入できるため、仮想通貨の価格が下がってしまう傾向があります。多くの銘柄では発行枚数に上限を設定し、定期的に発行枚数を減らすバーンを行います。
そのため発行枚数が多いミームコインは、価格が高騰しにくいという特徴もあります。
ミームコインの危険性
ミームコインは価格が安く購入をしやすい一方で、ハイリスク銘柄も多いです。
ここではミームコインの危険性について紹介します。
ギャンブル性が高い
ミームコインの取引はギャンブルによく似ていると言われます。
実用性や機能性よりも話題性が先行するミームコインでは、誇大広告などによって購入者が増加し、価格が上昇すると一斉に売却されます。
ギャンブルには法規制がありますが、仮想通貨の法整備は整っているとはいえず、資金に余裕がない人でも簡単にアクセスできることが問題視されています。
コミュニティへの依存
多くのミームコインは、ビットコインやイーサリアムのような明確なビジョンなどがあるわけではなく、コミュニティによって支えられています。
ドージコインのように話題性が多く、コミュニティも活発である銘柄は問題ありません。しかし話題性が減りコミュニティが縮小すると、それに伴いミームコインを保有する投資家も減ってしまいます。
このようにミームコインは一過性の人気によって価格が高騰し、すぐに廃れてしまうというパターンが非常に多いです。
詐欺に遭う可能性
ミームコインは100銘柄以上も存在し、詐欺に用いられることも多いです。
2021年には、Netflixのイカゲームというドラマを模した「Squid Game」トークンが発行されました。通称イカゲームコインは数日間で約4,500%の高騰をしましたが、開発者がトークンを持ち逃げをした結果、暴落してしまいました。
このように話題性が先行してしまうミームコインでは詐欺に遭う可能性も高くなります。投資をする際には、開発者がトークンの大半を保有しているコインやプロジェクトの透明性が高くないコインは避けましょう。
ミームコインの代表的な銘柄
ミームコインは種類が多く数百の銘柄があると言われており、どれを選べばいいかわからないという人もいると思います。
ミームコインのおすすめ銘柄は以下の3つになります。
Dogecoin
ドージコインは2013年にライトコインを基に作られた仮想通貨です。
元ネタは柴犬の「かぼすちゃん」であり、redditというSNSで話題になったことがきっかけで話題になっています。
名称 | Dogecoin |
シンボル | DOGE |
時価総額 | ¥1,310,076,021,574 |
時価総額ランキング | 9位(2023年3月19日時点) |
取引所 | Coincheck,bitFlyer,GMOコイン |
公式サイト | https://dogecoin.com/ |
ドージコインでは、ビットコインのように発行枚数の上限がないことが特徴です。
開発者側は積極的に利用することを推奨しており、他の仮想通貨と比較しても価格が上昇しにくい傾向にあります。
またドージコインは著名人を多く惹きつけることに成功しています。有名なイーロンマスク氏をはじめ、ラッパーであるSnoop Dogg氏、NBAオーナーのMark Cuban氏などが投資しており、話題性が多いため価格変動が激しい銘柄です。
Shiba Inu
柴犬コインは2020年にドージコインを模して開発された仮想通貨です。
名称 | Shiba Inu |
シンボル | SHIB |
時価総額 | ¥854,433,196,317 |
時価総額ランキング | 13位(2023年3月19日時点) |
取引所 | Binance,Bybit |
公式サイト | https://shibatoken.com/ |
ドージコインと同じ柴犬をモチーフにしていますが、柴犬コインではイーサリアムチェーンとの互換性があるERC-20という規格で開発されているため、より実用性が高いです。
またShibaSwapというDEXやNFTのマーケットプレイスまであり、他のトークンとのスワップやステーキング、NFTの購入など多彩な活用方法が存在します。
Floki Inu
FLOKIとは、テスラのCEOであるイーロンマスク氏が飼っている柴犬の名前が由来であるミームコインです。
名称 | Floki Inu |
シンボル | FLOKI |
時価総額 | ¥45,128,772,677 |
時価総額ランキング | 112位(2023年3月19日時点) |
取引所 | gate.io |
公式サイト | https://www.floki.com/ |
ミームコインには詐欺や形だけ発行した銘柄も多いですが、FLOKIは約20万人の保有者が、コミュニティには44万人の参加者がいるため信頼性が高いです。
またメタバース事業であるVALHALLAやDeFiのFlokiFi、NFTマーケットプレイスのFloki Placesなど複数のプロジェクトを展開しています。
ミームコインの将来性
ミームコインは元々冗談で開発された実用性の低い銘柄でした。
しかし一部のミームコインは短期的な利益だけでなく、ビットコインやイーサリアムにはない実用性を備えています。
ドージコインは手数料が低いため少額からの送金に適しています。2014年にはソチ五輪に行く資金がないジャマイカのボブスレーチームに支援を募り、約380万円を寄付しています。
またShibariumというlayer2ネットワークを公開する予定の柴犬コインは、スケーラビリティ問題の解決することを目的としています。
シバリウムの実現によって負荷の軽減や手数料の低下などが期待でき、それに伴いNFTマーケットやゲームアプリケーションの分野でも進展する可能性があります。
まとめ
ミームコインは著名人の発言によって左右されるなど話題性で価格が推移する傾向にあります。
そのため大きなリターンを得られる期待も大きいですが、常に暴落するリスクを抱えているハイリスクの銘柄が多いです。
ミームコインを購入する際には、話題の多い銘柄を選ぶだけでなく、流動性の高さやプロジェクトの透明性などに注意をすることでリスクを軽減できます。