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GAFAによるweb3.0のビジネス動向と今後の展望について解説

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GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)はこれまでWeb2.0の発展とともに中心的な役割を担ってきました。
しかし近年では、NFTやブロックチェーンを活用した決済手段などWeb3.0のビジネス動向が目立っています。
GAFAを中心とした巨大IT企業は、Web3.0による新しい競争で地位を維持することや新しいビジネスモデルに対応することができるのでしょうか。
今回はGAFAを中心としたビジネスの問題点やWeb3.0のビジネス動向について解説していきます。

GAFAとWeb3.0の関係とは

現在はGAFAを中心としたWeb2.0が主流ですが、ブロックチェーン技術を活用したWeb3.0による新しい概念や開発が進んでいます。
ここではGAFAを中心とした社会の問題点やWeb3.0が必要とされる背景についてみていきましょう。

GAFAによる膨大なデータの収集

私たちが現在利用しているインターネットの形をWeb2.0といいます。
Web2.0では情報を発信する人と受信する人が双方向にやり取りできるようになっており、FacebookやYouTubeなど多くのSNSで画像や動画を共有できるようになりました。
その中でも巨大IT企業であるGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)が台頭し、多くのデータを独占しています。
現在多くの人は、生活や仕事の中でGoogleやiPhone、Amazon、Facebookを利用しながら生きています。

個人データの保護やプライバシーの侵害リスク

GAFAによって利便性が向上している一方で、特定の企業に行動履歴や個人情報などのデータが独占されていることへの問題が指摘されています。
Web2.0の特徴のひとつが中央集権型のシステムです。中央集権型では国や企業などが主体となりアプリケーションやユーザーの個人情報などを管理しています。
そのため企業などがサイバー攻撃を受けると個人情報が流出するリスクも発生します。
実際にTwitterやFacebookでは個人情報が流出する事件も起きています。
また所有権を独占しているという問題もあります。
TwitterやYouTubeなどのSNSで、様々なことをクリエイトし発信しているアカウントの所有権は企業側にあります。
そのため数百万人のフォロワーがいるアカウントでも企業側の判断によって凍結や削除が行われてしまいます。

Web3.0による分散化されたデータ保護

Web3.0では分散化されたデータ管理が行われるため、GAFAによる中央集権的な問題点を解決できる可能性を秘めています。
ブロックチェーン技術は改竄をすることが困難であり、情報の透明性が高い性質があります。
そのためプライバシーの保護や個人情報が漏洩することなどのリスクを軽減させる効果を持っています。
またスマートコントラクト機能は契約の自動化をすることができ、仲介者を挟まず直接個人間での取引ができるため、新しいビジネスモデルを作ることが可能になります。
このようにWeb3.0が普及することで個人でデータ管理や所有権を保持することができ、Web2.0の欠点を補うことが期待されています。

GAFAにおけるWeb3.0事例とは

GAFAでもWeb2.0だけでなく、Web3.0の開発や関係企業との提携をすることで新しいビジネス展開を進めています。

Google Cloudを活用したWeb3.0

Googleでは、Web3.0へと移行した後も覇権を維持するための戦略として、Google Couldの活用やGoogle Payによる新しい決済手段を目標にしています。
クラウドサービスであるGoogle Cloudは、Web3.0を開発する会社を支援するためのサポートプログラムに取り組んでいます。

例えば、スタートアップ企業や事業を対象とした「Google for Startups Cloud Program」では、技術トレーニングを受けることやサービス料金の割引などを受けることができます。
そして決済サービスであるGoogle Payでは暗号資産やウォレットなどと対応させるために、Coinbaseなど多くの企業と提携をしています。

AppleがWeb3.0の架け橋に

Applepayを使用してNFTや仮想通貨を購入することが可能になりました。
2022年3月には、暗号資産ウォレットのMetaMaskがモバイル版アプリをリリースしています。
MetaMask MobileはiOSで利用することができ、Applepayで暗号資産の決済を気軽に行えるようになりました。
また2023年5月には、フィットネス系NFTゲームであるSTEPNのアプリ内でもプロダクトを購入できるようになっています。
Applepayは暗号資産をあまり利用しない人など多くの人が決済手段として活用しています。
そのためApplepayでNFTや暗号資産を気軽に購入できるようになることで、新しいユーザーを獲得できることにも繋がります。
ApplepayがWeb2.0とWeb3.0との架け橋になることで、Web3.0が一般消費者にも浸透していくことが期待されています。

MetaのWeb3.0動向

2021年10月に米フェイスブックは社名をMetaに変更し、メタバースや仮想現実(VR)に注力してきました。

メタバース事業の展開

Metaでは特にメタバース事業に注力しています。
社名を改名時に、今後メタバースには100億ドル規模の投資を発表しており、プラットフォームやVR機器の開発に取り組んでいる状況です。
しかしメタバース部門であるReality Labsの営業利益は伸び悩んでいて、2023年第1四半期決算報告では約39億9200万ドルの営業損失を出しています。
Reality Labsの赤字が続いていることで、Meta社のメタバースへの投資は失敗したのではないかという意見も増えています。
しかしメタバースへの事業投資は5年から10年の長期的な計画になっており、本格的に成果が出て利益に反映されるのは2030年代になるという見通しがあります。

NFT投稿機能

Meta社ではFacebookやInstagramといったSNSを提供していたことや、NFTの投稿機能やNFTを販売するためにPolygonと提携をすることを発表しています。
FacebookやInstagramのユーザーが、MetaMaskなどのウォレットに接続することで保有しているNFTを投稿したりプロフィールのアイコンに設定ができるようになりました。
SNSとNFTは相性が良いと言われており、FacebookやInstagramなどの多くのユーザーが利用しているSNSでNFTを活用できるようになることで、市場規模がさらに大きくなると予想されます。
またPolygonと提携することでInstagramの中でデジタル・コレクティブルを作り、ユーザーがファンに対してNFTを販売することが可能になりました。
Instagramでは、YouTubeやTikTokとは違いクリエイターへの報酬が還元されにくいシステムになっていたため、NFTを販売できるようになることで収益化やファンとの交流方法をコントロールしやすくなっています。
しかし2023年4月にはNFT機能を収益化の問題などから廃止しており、収益性や広告面などの改善が期待されています。

AmazonのWeb3.0動向

Amazonのクラウドサービス部門AWSではWeb3.0の人材を募集しています。
これまでAWSは、Web3.0に関してアバランチ(AVAX)に対応することなどを行っています。

アバランチのエコシステムやインフラに対応することで、企業や政府向けのサービスを開発できる環境を提供できるようになります。
またAWSだけではなく、Amazonの本体もデジタル事業を開始するという動きがみられます。
具体的には、レイヤー1のブロックチェーンの開発やブロックチェーンゲーム、NFTの入手などを取引所や開発者と提携しながら話を進めています。

まとめ

今回はWeb3.0とGAFAの関係性について解説しました。
Web3.0という新しいインターネット革命によってGAFAを中心としたWeb2.0の時代からDAO(分散型自立組織)の時代へと変わっていく可能性があります。
しかしGAFAでも各社がWeb3.0の開発や提携を進めており、GAFAなどの巨大IT企業を中心とした中央集権的なスタイルからの脱却がされるかは不透明といえます。

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