仮想通貨の選び方にはホワイトリストが重要|投資家の発言や今後の見通しを解説

仮想通貨の選び方には情報収集や知識が欠かせません。
仮想通貨の投資を続けている方でも、どの銘柄がいいのか、選ぶ基準やポイントが分からないという人も多いと思います。少し慣れてきた中級者の方も、どのような銘柄が長期的に価値があるのか判断できるようになることでステップアップすることができます。
今回は仮想通貨の選び方や今後の見通しについて解説します。
仮想通貨の選び方で重要なポイント
仮想通貨の選び方には様々な基準があります。投資する仮想通貨の銘柄がどのような目的で使用されるのか、安全性や信頼性の高さ、価格変動の高さなど多くの情報を集めることで総合的に判断することが求められます。
①ホワイトリスト銘柄から選ぶ
仮想通貨を選ぶ基準のひとつに信用度の高さがあげられます。銘柄を選ぶ際には、マネーロンダリングなどの犯罪に利用される危険性がないかを確認することが必要です。
しかし仮想通貨は何千種類もあり、どのような基準で安全性や信頼性の高い銘柄を探せばいいか分からないという人も多いと思います。ここでは金融庁が公表しているホワイトリスト銘柄について紹介します。
ホワイトリストとは
ホワイトリストとは金融庁の登録を行った暗号通貨取引所で取り扱っている仮想通貨の銘柄のことです。2021年4月に改正資金決済法が施行され、仮想通貨を取り扱う際には金融庁への登録が必要になりました。
暗号通貨の取引所が金融庁の登録をするためには一定の審査をクリアする必要があるため、登録を済ませた取引所の仮想通貨は安全性や信頼性が高いことを意味します。
実際に金融庁に登録されているホワイトリスト銘柄は100種類にも満たないため、何千種類とある仮想通貨を選ぶ基準のひとつになることが期待できます。
ホワイトリストに入る条件
ホワイトリスト銘柄に入るためには、金融庁の審査条件を満たす必要があります。具体的には以下のような流れで行われます。
- 役員へのヒアリング
- 書類の審査
- 訪問審査
まず役員へのヒアリングでは事業内容が明確かリスク管理の体制などが確認されます。次の書面審査では、より具体的な利用者保護の措置やマネーロンダリングやテロ資金への供与対策を検証します。書面やエビデンスに問題がなかった場合には、最後に訪問審査を受けなければいけません。現場での実用性や規定の運用状況などが確認され、条件が満たされている場合に登録がされることとなります。
ホワイトリストの銘柄一覧(2022年6月18日時点)
金融庁に登録されている取引所では数十種類の仮想通貨を扱っています。ここではホワイトリスト銘柄の一部を紹介しましょう。
ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
リップル(XRP)
ポルカドット(DOT)
ライトコイン(LTC)
ビットコインキャッシュ(BCH)
ダイ(DAI)
エンジンコイン(ENJ)
シンボル(XYM)
コスモス(ATOM)
ジャスミー(JMY)
エイダ(ADA)
チェーンリンク(LINK)
ベーシックアテンショントークン(BAT)
トロン(TRX)
引用:暗号資産交換業者登録一覧
上記の一覧以外にもホワイトリスト銘柄は存在します。仮想通貨の銘柄は数千種類あると言われていますが、ホワイトリスト銘柄は100銘柄にも満たないため厳選されています。
厳しい審査条件をクリアしているホワイトリスト銘柄は確実に安全とは言い切れませんが、日本国内で安全に取引する指標の一つになるといえます。
ホワイトリスト銘柄は安全性が保証されているわけではない
仮想通貨の選び方として、ホワイトリスト銘柄を選べば確実に儲かるというわけではありません。
実際にホワイトリスト銘柄に登録された仮想通貨の銘柄は上昇する傾向が高いといえますが、全ての銘柄に共通するわけではないことに注意しましょう。
・本一覧に記載された暗号資産交換業者が取り扱う暗号資産は、当該暗号資産交換業者の説明に基づき、資金決済法上の定義に該当することを確認したものにすぎません。
・金融庁・財務局が、これらの暗号資産の価値を保証したり、推奨するものではありません。暗号資産は、必ずしも裏付けとなる資産を持つものではありません。
引用:暗号資産交換業者登録一覧
金融庁のHPには上記の注意書きがあり、登録されたホワイトリスト銘柄の価値が保証されることや、推奨しているわけではありません。ホワイトリスト銘柄には過度な期待をせず、自己責任で取引を行うことが大切です。
②仮想通貨の使用用途
仮想通貨の使用用途やどんな目的で使われるのかを選ぶ基準にすることもできます。自分が利用したいサービスや決済手段としての利用など、投資をする根拠を考えることが重要です。
例えばBTCやステーブルコインなどは決済手段としての利用が期待できます。またETHやSOL、AVAXなどスマートコントラクト機能を持つ銘柄を選ぶことでNFTやゲームなどに使用することが可能です。
仮想通貨の使用用途を調べることで将来的な需要などが理解でき、取引をする上で判断材料になります。
③ボラティリティの高さ
仮想通貨を投資する基準としてボラティリティの高さがあります。
ボラティリティとは価格変動の高さを指し、ボラティリティが高いほど価格の上昇が期待できる一方で下落する可能性も高くなります。またボラティリティが低い場合には、急激な価格上昇は望めませんが安定して値動きが期待できます。
ボラティリティが特に高い仮想通貨の銘柄は草コインになります。時価総額や取引量が少ない草コインは短期間でも100倍以上の価格の上昇が期待できますが、一方で下落するリスクも大きいことが特徴です。
また価格変動が低い銘柄にはステーブルコインがあります。ステーブルコインでは法定通貨などを裏付け資産とすることで価格を一定保つ仕組みを作っています。例えばUSDTでは米ドルを裏付け資産にしており、1米ドル=1USDTと連動するシステムになっており非常に安定性の高い資産と言えます。
このようにボラティリティの高さを基準として、どの程度リスクをとることができるかを考えることも仮想通貨を選ぶポイントとなります。
④流動性の高さを確認
仮想通貨の取引量の多さを確認することでリスクを減らすことができます。
流動性とは、仮想通貨の取引量の多さを示しており、流動性が高いほど適正な価格での取引がしやすい環境になります。
逆に流動性が低い場合には、価格変動が激しい傾向にあるため適正な価格で安定しないことや、売り手が見つからずに適正価格よりも高く購入しなければならない場合があることに注意しましょう。
仮想通貨の今後はどうなるのか
仮想通貨は価格の変動が激しいため、長期的な保有に不安を感じる人も多いかもしれません。
実際に有名な投資家の中には仮想通貨への投資は生産的ではないという意見もありますが、一方で様々な分野で大手企業が参入し決済サービスへの導入も拡大しています。
ここでは仮想通貨の将来性についてみていきましょう。
決済サービスの拡大
法定通貨だけでなく仮想通貨による決済が拡大することが考えられます。
現在はクレジットカードやネットでの決済では法定通貨が利用されることがほとんどです。しかしビットコインやステーブルコインによる決済サービスに対応する企業も増加傾向にあります。
2021年3月に米国のカード会社のVISAではステーブルコインUSDCでの決済を導入しています。これまで仮想通貨による決済が導入しにくい要因のひとつとしてボラティリティの高さがありました。しかしステーブルコインは価格が安定しているため、今後普及が進むにつれて決済サービスとして導入がされ、将来的には日常的に利用できることが期待されています。
大手企業の参入が期待できる
仮想通貨市場には大手企業の参入が期待できます。2021年10月にはFacebook社のマーク・ザッカーバーグCEOが社名をMetaに変更すると発表し、VRなどのメタバース事業を本格化する動きを見せています。
メタバースは仮想通貨には大きな関連性があります。メタバース空間内で土地やアイテムの売買、サービスの利用などには法定通貨ではなく仮想通貨が使われることが多いです。
メタバース市場ではゲーム以外にもエンターテインメントやファッション、ビジネス、アート、教育など幅広い分野に応用することができるため、市場の拡大が見込まれています。
有名投資家の発言
米国の投資家であるウォーレン・バフェット氏は否定的な発言を続けています。2022年4月に行われたバークシャーハサウェイの年次株式総会でバフェット氏は、「もしあなたがすべてのビットコインを所有していて、私に25ドルで売るといっても受け取らない。」と発言しました。
農地やマンションなどに投資して生産的な運用をすることと比較してビットコインは何の役にも立たないと述べており、仮想通貨に対して使い道がなく将来性に関してネガティブ姿勢をみせています。
一方でテスラのCEOであるイーロン・マスク氏は「ビットコインやイーサリアム、ドージコインを売却するつもりはない」と宣言しています。金利の上昇など様々な要因で仮想通貨全体が下落していますが、インフレ率が高い時期に米ドルなどの法定通貨を保有することは避けるべきとアドバイスしています。
As a general principle, for those looking for advice from this thread, it is generally better to own physical things like a home or stock in companies you think make good products, than dollars when inflation is high.
I still own & won’t sell my Bitcoin, Ethereum or Doge fwiw.
— Elon Musk (@elonmusk) March 14, 2022
投資は自己判断で
仮想通貨は長期的にみて将来性のある銘柄に投資することが大切です。
有望な銘柄を選別することは難しく感じるかもしれませんが、ホワイトリスト銘柄のような一定の安全性や信頼性がある銘柄を選ぶことである程度のリスクを軽減させることができます。
一方で短期的に話題になっている銘柄に投資することはリスクを伴います。流動性やボラティリティの高さなどを自分で確認することで将来性のある投資銘柄であるのかを判断しましょう。