仮想通貨の送金ミスの対処法 原因や未然に防ぐ方法とは

「振り込みを間違たら回収は可能なのか」
「送金アドレスが間違っていないか心配」
暗号資産の取引では異なる取引所やウォレットへ振込をする機会も多いと思います。
特に初心者の中でも致命的な失敗になりやすいことが振込ミスです。暗号資産を間違ったウォレットへ送ってしまった場合には回収できない可能性もあります。
ここでは初心者が失敗しやすい送金ミスの原因や対処法、未然に防ぐ方法などを解説します。
仮想通貨の送金ミスとは
暗号資産の振込ミスは振込先のアドレスを間違えることで発生します。
従来の銀行などの振込ミスでは、組戻しなどの手続きを申請することで資金を回収することも可能です。しかし暗号資産は非中央集権型のブロックチェーン技術を活用しているため、取引所であっても一度行った処理を改ざんすることは難しいです。そのため暗号資産の振込では特に注意をして行う必要があることを理解する必要があります。
送金ミスをした仮想通貨を取り戻すことができるのか
暗号資産の振込ミスの種類によって取り戻すことができるときとそうでないときがあります。
暗号資産を取り戻すことができるときには、取引所のシステム上のトラブルや詐欺や犯罪などに巻き込まれた場合、第三者に振込ミスをしてしまったなどが該当します。
暗号資産の取引所でネットワークの不調などによって振込ミスが発生したときには取引所に非があるためカスタマーサービスなどに問い合わせることで解決できる可能性があります。
また暗号資産の詐欺などでは加害者に対して請求することで回収が可能です。そして間違えて第三者に誤振込した場合には連絡をすることで解決できるかもしれません。
送金ミスで仮想通貨を取り戻せないケースも
一方で暗号資産の振込ミスで回収することができないというケースも多いです。暗号資産の調査会社「Chainalysis」によると、これまで永久に取り戻せない状態にあるビットコインは全体の約20%程度あると発表されています。(引用:Bitcoin’s $30 billion sell-off)
具体的には振込アドレスを誤入力して存在しないアドレスで送ってしまったときには回収することは出来なくなります。
暗号資産の取引は法規制が緩い一方で自己責任の範囲が広いため、自分自身で資産を守る必要があり取引にはリスクも伴います。
銀行と仮想通貨の違いとは
銀行では振込先の口座が存在するときと存在しないときでは手続きや流れが異なります。
振込先の口座が実際にあるときには、振込元の金融機関から振込先の金融機関へ取消の依頼がされることになります。そして受取人と連絡を取ってもらい承諾がされれば返金がされますが、承諾されないときや連絡が取れないときなどは返金手続きが遅れることもあり注意が必要です。
次に振込先が存在しないときですが、支店番号や口座番号、受取名義人などが異なると入金処理はされません。そのため1営業日以内に返金処理がされることとなります。
仮想通貨の送金ミスが発生する原因
暗号資産の振込ミスはどのような理由で発生するのでしょうか。代表的な原因を知っておくことで対策や未然に防止することが可能になります。
別の送金アドレスを入力してしまう
はじめに他の振込アドレスと間違えてしまったパターンです。
暗号資産のアドレスは振込する通貨や振込先の違いによって異なるアドレスが必要になります。もしも目的と違う通貨や相手を選択したときには正しく振込できなくなります。
例えば、イーサリアムを振込するときに間違えてリップルのアドレスを入力してしまう場合などが当てはまります。大きく異なる通貨のときにはエラーが発生することも多いため問題にはなりにくいですが、ビットコインとビットコインキャッシュなど似たような通貨同士の場合には振込アドレスが似ています。類似した通貨で誤振込してしまうとエラーにならない可能性もあります。
振込まで行ってしまうと取り戻すことが困難になるため、暗号資産の振込手続きは慎重に入力しましょう。
送金アドレスを誤入力
次に暗号資産の振込をするときに、アドレスの入力を間違えてしまうパターンです。
暗号資産のアドレスは銀行の口座番号のようなものです。一般的に30文字前後の英数字で構成されており1文字でも間違えると正しく振込することはできません。
異なる振込アドレスを入力していたときには取り戻せる可能性もあります。
架空のアドレスに振込した場合には振込エラーになるため、暗号資産の取引所に返送をお願いすることで誤振込した暗号資産を取り戻せる可能性が高いです。
詐欺などの犯罪に巻き込まれる可能性も
暗号資産の振込ではハッキングや詐欺などの犯罪によって被害に遭う可能性もあります。
最近ではサイバー攻撃も多様化しており、初心者では見破ることができないような巧妙な手口であることも多いです。
例えば取引所の振込画面と酷似した偽のポップアップへ誘導して秘密鍵などの情報を抜きとることやSNSなどで親しくなった人間に仮想通貨の振込を促されて被害を受けることなど様々な手口が報告されています。
仮想通貨の送金ミスをした際の対処法
実際に振込ミスが起こってしまったときにはどのように対処すべきなのでしょうか。ケースによっては回収ができることもあるため取引所の規定などを理解しておきましょう。
取引所の履歴を確かめる
暗号資産の振込ミスをしたかどうか確かめるためには取引所の履歴を確認しましょう。
ブロックチェーンでは全ての取引が公開されているため取引所で通貨や日時を選択して検索をすることで取引をした情報を知ることができます。
上記の取引履歴を開き、振込ミスが起こった取引を選択することで銘柄名、数量、振込先、ステータスなどが分かります。
また取引所以外でもビットコインやイーサリアムなどによって取引履歴を検索できるサイトが存在します。英語の通貨名とトランザクション(transaction)を入力することで、取引の状態が現在どのようになっているかを確認することが可能です。
取引所によって回収できるケースが異なる
暗号資産の振込は原則として取り消すことは難しいですが、ケースによっては回収できることもあります。
そのため振込ミスが発生した際には、振込先や振込ミスの原因など情報を集めることが大事です。
振込先が実在する場合には暗号資産は消滅していないため回収できる可能性があります。振込相手とコンタクトをとって交渉をすることで返送が期待できます。
また取引所が原因で振込ミスが起こった場合にも回収ができるかもしれません。暗号資産の振込は自己責任ですが取引所のネットワークの不調やトラブルがきっかけで振込ミスをした際には、取引所のカスタマーサービスなどに連絡をすることで組戻しなどの手続きを行ってもらえることもあります。
一方で、入力ミスなど存在しないアドレスに暗号資産を振込した際には回収することは困難になります。
仮想通貨の送金ミスを防ぐためにできること
振込ミスを未然に回避するためには慎重に行動することが重要です。テスト振込や振込アドレスの登録など致命的な失敗をしないように工夫することが求められます。
原則として少額ずつ振込する
暗号資産を少額ずつ送ることでリスクを軽減することができます。暗号資産の振込はアドレスを間違えたら正しく送ることはできません。なので一回目の振込では少額の仮想通貨をテスト振込することで振込先に届いているかをチェックしましょう。
例えば1BTCを振込する場合には、まず0.0001BTCをテスト振込して成功を確認してから残りのBTCを振込します。2回に分割して振込をすることで振込手数料などが余計にかかってしまうデメリットはありますが、大切な資産である暗号資産を安全に振込するためには数回に分けて振込することで紛失のリスクを減らすことができます。
ラベル登録を活用する
暗号資産の振込アドレスの手入力はおすすめできません。振込アドレスは英数字で30文字程度あるため正確に入力することができない可能性があります。
入力ミスを回避するためには振込アドレスの登録を行うことが有効な手段になります。取引所では振込先のアドレスを登録できるラベルや宛先リストが存在します。一度振込に成功したアドレスを登録しておくことで振込ミスをする心配がなくなります。
まとめ
今回の記事では仮想通貨の誤送金の種類や対処法・未然に防ぐ方法について解説をしました。
暗号資産を振込する機会は初心者だけでなく中級者や上級者にもあり、正確に振込するためにはテスト振込やアドレスのダブルチェックなど慎重に操作を行うことが大事です。
複数回に分けることで振込手数料がかかってしまうデメリットがありますが、特に初心者のうちには致命的な失敗を避けるための対策を怠らないことが失敗しないための秘訣といえます。