DeFiとは?仮想通貨を預けて稼ぐ方法をくわしく解説

「DeFi」とは、中央で管理する組織や企業を必要としない分散型金融サービスのことです。
ここ数年で、仮想通貨(暗号資産)業界でよく話題に上がっている「DeFi」ですが、仕組みや特徴、どのような稼ぎ方があるのかについてまで詳しく理解している方は少ないかと思います。
「よく聞くDeFiって結局何なの?」
「DeFiでどうやって稼ぐの?」
今回は、このような疑問をもっている仮想通貨(暗号資産)初心者の方へ向けて
- DeFiの概要から特徴
- DeFiでの稼ぎ方
- DeFiを利用するメリット・デメリット
こちらについて詳しく解説します。
仮想通貨メディア複数運営している筆者が、わかりやすく解説しますので、これからDeFiで運用を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
DeFiとは
DeFi(ディファイ、ディーファイ)とは、
「Decentralized(分散された)」と「Finance(金融)」の頭文字を組み合わせた造語です。
これまでの金融サービスで当たり前だった、中央で管理する銀行や企業などの組織が管理せずとも、自動で金融取引の運用ができるようにブロックチェーン上で構築されたシステムのことです。
このDeFiを支えているブロックチェーン技術は、
- データの改ざんが極めて困難
- 特定の誰かではなくネットワークに参加しているユーザー全員で管理
- システムダウンしない
このような特徴をもっています。このブロックチェーンに金融サービスを組み合わせたことでDeFiが誕生しました。
https://crypto-joy.com/?p=203
一番の特徴は「中央管理者がいない」こと
ブロックチェーン上で動いているDeFiの一番の特徴は、従来のサービスで当たり前だった「中央で管理する金融機関や企業が必要ない」ということです。これに付随して、下記の3つの特徴が生まれています。
- 低コスト
- 管理者による不正がない(できない)
- 誰でも利用できる
DeFiでは中央で管理する組織がいないことで、これまでの金融サービスでは当たり前だった、仲介手数料や、人件費、管理コストのユーザー負担が圧倒的に削減されています。また、すべてのデータ取引をユーザー全員で管理する仕組みになっているため、中央管理者によるデータの改ざん等の不正を未然に防ぐこともできます。
また、DeFiは管理者による審査等がないため、ネット環境さえあれば誰でも利用可能となっています。そのため、住んでいる国や人種にかかわらず誰でも利用できます。主に、「銀行口座はないけどスマホはある」といった人が多い、主に発展途上国に住む方が一番の恩恵を受けられます。
CeFiとは?DeFiとの違い
CeFiとは、
「Centralized(中央集権化された)」「Finance(金融)」の頭文字を組み合わせた造語です。
これは従来の金融サービスを表す言葉で、金融機関や企業が管理している銀行や、証券会社、保険などを指しています。CeFiは、DeFiの反対語のような意味で使われています。
ブロックチェーン技術が生まれてから、これまでのCeFiであった問題を解決して、誰もが使いやすい金融サービスを作るためにDeFiが生まれました。
DeFiの稼ぎ方
これまでの金融サービスと異なる特徴をもったDeFiは、さまざまな稼ぎ方があります。
DeFiの基本的な稼ぎ方は、「保有・貸出」することで仮想通貨(暗号資産)やトークンを得る、金利や利息のような方法です。
DeFiの主な稼ぎ方は以下の3つです。
- レンディング:取引所に仮想通貨を貸し出す
- ステーキング:対象の仮想通貨を一定期間保有して運用に貢献する
- イールドファーミング:分散型取引所(DEX)に仮想通貨を貸し出す
レンディング
レンディングとは自身の仮想通貨(暗号資産)を仮想通貨取引所に貸し出して金利をもらう方法です。借りた仮想通貨を使って取引所がほかのユーザーにサービスを提供できるように貢献した報酬として利率に合った仮想通貨をもらうことができます。
レンディングは、お金を貸して利子をもらったり、不動産収入のイメージ。
レンディングのメリット
売買などの取引ではなく、仮想通貨(暗号資産)の預け入れを積み立てしていけばいくほど金利が大きくなります。そのため、大きな利益を狙って売買取引をする目的ではなく将来へむけた資産運用にも向いています。
レンディングのデメリット
仮想通貨(暗号資産)は、価格のボラティリティ(価格の上げ下げ)が非常に激しいため、貸出している最中に価格が急激に下がり、それに合わせて得られる金利も急激に下がる可能性があります。また、貸出している取引所が倒産すると、最悪の場合貸している仮想通貨(暗号資産)が返ってこなくなるケースがあります。
ステーキング
ステーキングとは取引所指定の仮想通貨(暗号資産)を保有し、その報酬として利率に合った仮想通貨を得る方法です。リスクも少なく、ほとんどは少額から始められるため仮想通貨初心者でもおすすめできる方法です。
ステーキングは、株主がもらえる配当金のイメージ。保有している仮想通貨を使ってブロックチェーン上で動くDeFiの運用の手助けをします。
ステーキングのメリット
価格の上げ下げを予測して売買取引をするのではなく、取引所指定の仮想通貨を持っているだけで報酬がもらえます。また、銀行と比べると圧倒的な高金利となっており、ステーキングのサービスを提供している仮想通貨取引所のアカウントをもっていればすぐに始めることができます。
ステーキングのデメリット
ステーキングをしている間は、該当の仮想通貨(暗号資産)を動かすことができません。各取引所によって保有期間が決まっており、その間は取り出すことができず他の取引に使うことができないため、あらかじめ考慮しておく必要があります。
イールドファーミング
イールドファーミングとは、分散型取引所(DEX)と呼ばれる中央管理者がいない仮想通貨取引所に仮想通貨(暗号資産)を貸し出して、その対価として報酬をもらう方法です。
貸出をした分散型取引所(DEX)で活発な取引をするための手助けをします。
DeFiが注目されている一番の理由はこのイールドファーミングです。
これまで解説してきた、レンディングとステーキングは基本的に企業が運営する仮想通貨取引所のサービスの一つとして提供されている稼ぎ方です。これらは従来の金融サービスと比べて利率の違いはあれど、すでにあった稼ぎ方(資産の増やし方)です。
中央管理者がいない分散型取引所(DEX)に貸し出しをすることで、金利や手数料収入に加えて、分散型取引所(DEX)独自のトークンをもらうことができます。このトークンも種類によっては取引所に上場して価格がついており、仮想通貨(暗号資産)の一つとして取引ができるようになります。
イールドファーミングによって、トークンを獲得することを
「流動性マイニング」といいます。
イールドファーミングのメリット
イールドファーミングの一番のメリットは、金利や利子に加えてトークンがもらえることです。貸出した仮想通貨(暗号資産)に加えて、新たなトークンを受け取れることで、取引の幅が広がります。
イールドファーミングのデメリット
仮想通貨(暗号資産)の価格変動に合わせて、結果的に損をしてしまう変動損失(impermanent loss)が発生しやすいため、やや上級者向けの稼ぎ方であるといえます。
また、脆弱性をついたハッキングや、貸出をした分散型取引所(DEX)自体が詐欺でそのまま持ち逃げされてしまったりと、リスクがあるので注意する必要があります。
DeFiのメリット
DeFi利用のメリットは大きく以下の3つです。
- 不正などのリスクなしで透明性が高い
- 手数料などのコストが低い
- 誰でも利用できる
不正などのリスクなしで透明性が高い
従来の金融サービスでは、中央で管理する金融機関や企業が顧客データを管理するのが当たり前でした。そのため、内部でのデータの改ざんや不正を見抜くことが難しく、これまでにも数多くの問題や事件も起こっています。
DeFiでは、ブロックチェーンで中央管理者を必要とせずにユーザー全員で管理する運用になっているため、そういった改ざんや不正を未然に防ぐことができるので、安心して利用することができます。
手数料などのコストが低い
従来の金融サービスでは、サービス提供している金融機関や企業に対して仲介手数料などの費用がかかっていました。しかしDeFiでは中央管理者がいない分、低コストで資産運用ができるようになっています。
初心者でも余計なコストを省いて資産運用をすることができることがメリットとして挙げられます。
誰でも利用できる
DeFiはインターネット上かつブロックチェーンで運用されているため、インターネットにつながりさえすれば、住んでいる国や職業、人種など関係なく誰でも利用できます。
また、利用するための審査等もないので主に発展途上国に住んでいる人でも誰でも平等に同じサービスを受けられるようになっています。
DeFiのデメリット
これまでの金融サービスと比べて良いこと尽くしのDeFiですが、利用するにあたってのデメリットも存在しています。
DeFi利用のデメリットは大きく以下の3つ
- ガス代の高騰
- 自身でリスク管理する必要がある
- 規制が進んでいない
ガス代の高騰
DeFiはブロックチェーン上で動いているため、システム手数料として「ガス代」が必要です。今後、さらにDeFiが人気となりデータ処理が混雑していけばいくほどガス代が高騰し、利用するハードルが上がる可能性があります。
ガス代とは、主にマイナーへの報酬として支払われます。
マイナーはデータ取引の検証や承認作業を行いブロックをつなげています。その対価として仮想通貨(暗号資産)を得ています。
自身でリスク管理する必要がある
DeFiでは中央で管理する金融機関や企業がいないため、トラブル時の保証制度もありません。そのためハッキングや、詐欺プロジェクトなど自身でリスク管理をする必要があります。
また、仮想通貨(暗号資産)の送付時や、仮想通貨ウォレットの秘密鍵の紛失など、便利である反面取り返しのつかない人的ミスのリスクもあります。
規制が進んでいない
DeFiでは現在各国の法整備が追い付いていません。今後、規制がかかることで今までのように稼げなくなってしまったり、取引に制限がかかってくることも予想されています。
そのため、日ごろから自身の資産を管理するために、規制に関する動きも注意してニュースなどから情報収集する必要があります。
まとめ
今回は、このような疑問をもっている仮想通貨(暗号資産)初心者の方へ向けて
- DeFiの概要から特徴
- DeFiでの稼ぎ方
- DeFiを利用するメリット・デメリット
こちらについて解説しました。
- DeFiとは、中央管理者がいない金融サービスのこと
- DeFiは低コストで誰でも金融サービスが受けられる
- 分散型取引所(DEX)に貸し出して、金利分+トークンがもらえる
イールドファーミングが人気になっている。 - 今後、DeFi市場の拡大にともないシステム利用料のガス代が高騰し、
利用のハードルが上がる可能性がある
仮想通貨(暗号資産)で効率よく資産運用するにはDeFiがおすすめです。これから運用を考えている方はぜひ少額から試してください。